どーも!白いパン反対派のパンブロガー福介です ヾ(・_・;
最近増えてきた「白いパン」について。
どうしても好きになれないんですよねー。
ちなみにこういう商品達です。
もうなんでもある感じ。
そのうち「白いフランスパン」なんてのも出てくるかも。
白いバゲットとか。
怖いです。
でもあったらあったで売れるかもしれないですね。
パンを作っている側からすると「白いパン」てあんまり美味しそうに見えないんですよ、ほんとに。
パンを作っている現場では、粉から商品になるまでの流れが当然、全て見えますし実際に作業してます。
パン作りの最後は「焼成」です。
発酵をとったパン生地をオーブンで焼成して「パン」になります。
現場だと基本的に「白い」イコール「焼成前」なんです。
もちろん卵がたっぷり入ったブリオッシュ生地は黄色いですし、ライ麦や全粒粉が入ったパン生地は白くはないんですが、大半のパン生地は白いので焼き上がったパンが白いとどうしても違和感があります。
「まだ焼き上がってないじゃん」て感じてしまうんですよね。
パンにおいて火通りはとても大切で、中味が生のままなんて最低です。
そしてそれを確認する手段が焼き色なんです。
一応、パンの軽さや焼成時間でも判断しますが、分かりやすくて短時間で判断できるのはやっぱり「焼き色」。
そのためなのか白いパンを商品と認めづらいんです。
「ほんとに中まで焼けてる?」みたいな気持ちになってしまうのはしょうがないところなんですかねー。
さらにオーブンを先輩から教わる時は大体「まだ白い!」「もっと焼け」と言われて育つんですよ。
ふんわり柔らかな菓子パン生地はまた別なんですが、作るのが難しくて職人魂に火をつけやすいフランスパンなどのハード系のパンでその傾向は顕著な気がします。
これも原因なのかなぁ。
で、ここまでは個人的な話なんでどーでもいいんです。
「自分は白いパンは好きじゃないです!」
「そうか、分かった」
それだけですよね。
気になっているのは「白いパン」がお客さんにしっかり受け入れられている点。
売れなきゃパン屋も作りませんからこれだけ種類があるということは、売れているんでしょう。
「白いパン」作るのって実はめんどくさくて(焼き色が付かないようにしないといけないので)、ある程度売上が見込めないと作りません。
パンの美味しさって科学的にある程度ですが解析されていまして。
ポイントは「食感」と「風味」なんですね。
個人的には食感と風味が50%50%だと思ってます。
食べ物全般そうなんじゃねーかとも思うんですが、まぁ置いといて。
原材料と配合はもちろん大きく影響しますが「食感」は主にミキシングと発酵によって作られていきます。
「ふんわり」とか「ひきがある」とか「歯切れがよい」とかです。
「風味」は主に焼成、さらに言うと「焼き色」です。
パンの「風味」は原材料の香りは弱く、ほとんどは発酵フレーバーと焼成によって生まれる風味です。
焼成前のパン生地ってとても美味しくないんですが、それは焼成によって生まれる風味がないからなんです。
焼成によって、パン生地は「メイラード反応」と「カラメル反応」が起こって美味しいパンとして誕生します。
メイラード反応 - Panpedia
カラメル化反応 - Panpedia
(詳しい説明はパンペディアにありますのでよかったらご覧ください。)
つまり「白いパン」は焼き色が付かないのでこの「メイラード反応」と「カラメル化反応」が起こっていないパンということです。
「白いパン」の風味はほぼ発酵フレーバーのみなんです。
発酵フレーバーも、単体だと正直あまり美味しいとは感じません。
だから「白いパン」を美味しいと感じるポイントは食感と原材料だけなんですよね。
それだけでも美味しいと感じる商品ならいいんだろうとは思うんですが、「もっと美味しくできるのに」とも思ってしまうんです。
実際、白いパンには「発酵風味料」ががっつり添加されていたり、糖類を多めにして甘くしてごまかしてるように感じられる商品もあります。
だから「パン」を生業としている自分としては、「白いパン反対派」を名乗ってます。
ただ断固反対ではないです。
フォローしているわけではないんですが、売り場に「白」があると売り場が映えるというか華やかになるのも事実。
さらに「白さ」は「柔らかさ」を連想させるので、柔らかいパンが好きなお客さんには魅力的に見えるんですよね。
分かってるんですけどねー。
それでも「パン」は見るものでもないし、パンの美味しさは柔らかさでもないよなぁとも思ってしまうんですよね。