焼き立て信仰への警鐘

 

どーも!パンブロガー福介です。

 

今回は「焼き立て」信仰のお話です。

「焼き立て」は美味しい!

かたくなにそう信じてらっしゃる方たちがいます。

確かにそうなんですが、そうじゃないものもありますよってお話。

 

街のパン屋さん、いわゆるリテイルベーカリーの最大の強みはお客さんとの距離が近いことです。

作ったパンもすぐお客さんの手に届きますよね。

焼き立ての温かいパンが。

 

コンビニやスーパーのパッケージされた工場から配送されるパンではこうはいきません。

(工場系のパン屋さんをホールセールベーカリーと呼びます)

 

そのためリテイルベーカリーの武器として「3たて」と呼ばれているものがあります。

「焼き立て」「揚げたて」「作りたて」です。

「焼き立て」は当然パン。

「揚げたて」はカレーパンなどのドーナツ。

「作りたて」はサンドイッチなどです。

 

「ただいま、当店一番人気のカレーパン揚げたてでございます」みたいな。

こちらとしては、売り場が少しざわついてくれればしめたもんです。

陳列する前に完売してくれたりもします。

 

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「3たて」の効果は絶大です。

美味しそうですもんね。

実際美味しいですけど。

 

ただね、すべてのパンが焼き立てが美味しいわけではありません。

また「焼き立て」と呼べるのは焼きあがってからどれくらいまでなのか考えたことありますか?

(パン屋さんくらいしかこんなこと考えませんけどね)

 

「焼き立て」が美味しいパンはたくさんありますが、逆に「焼き立て」はそんなに美味しくないパンもあります。

「焼き立て」のパンを食べられるのは作っている人間の特権ですね。

オーブンから出てきたばかりのしっかり焼いたクロワッサンとか最高です。

それでまぁ色々なパンの「焼き立て」を食べて見る機会があるわけなので食べてみますよね。

 

一番焼き立てが美味しくないのはドイツパン(プンパニッケルなど)です。

大き目の黒い、酸っぱい風味のパン達。

  焼き上がり翌日くらいはすごい美味しいですけどね。

 

もう一つ例を出すと「食パン」ですかね。

 こちらの方がイメージしやすいかも。

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写真は2斤サイズです。

食パンの「焼き立て」が美味しくないっていうと意外な感じがするかもしれませんが、美味しくありません。

そもそも食パンの焼き立てを食べる機会自体あまりないとは思うのですが。

 

パン教室だったり、ホームベーカリーで作ったて食べてみた方は

「ん?」

と思ったことあるかもしれませんね。

それは正解です。

 

パンのみみ部分(クラスト)は美味しいかもしれませんがパンの中央部分に近づくほどネチャネチャします、

熱くてネチャネチャしてて味もよく分からない。

これを美味しいとはいえませんよね。

 

パンの主成分はでんぷんです。

パンは焼成工程において、でんぷん粒は水の存在下で熱が加わるとアミペクチンの結晶構造内に水が浸透、水和し、結晶構造を形成していたアミペクチン側鎖が大きく開き、でんぷん粒全体が膨らむ。

そして結晶構造内に保持されていたアミロースの一部がでんぷん粒の外に溶出する現象、つまりでんぷんの糊化が進んでいきます。

 

( ꒪﹃ ꒪)

 

糊化の糊って「のり」とも読みますよね。

そんなイメージです。

パンの中で起こっている現象ですね。

 

なので焼きあがったパンはでんぷんの糊化が終了(正確には少し続くんですが)した瞬間の状態です。

美味しそうですか?

ネチャネチャしてますけど。

 

でも実際食べるパンはネチャネチャなんかしてませんよね。

これは焼成後、粗熱がとれ内部の水分が表面へ移動したからです。

(表面から水蒸気として空気中にパンから出ていく水分とは別です)

目に見えないものって分かりづらいですし、信じづらいですが、パンの内部ではずっと水分移動が起きています。

自然現象なのであまりうまく説明はできないんですが内部の水分が外側に向かって移動していきます。

オーブンではパンの表面から熱が伝わりますから表面の方が水分量が少ないですよね。

内部は熱が届きづらく、水分量は多いです。

なので内部の水分量は時間が経つと減っていきます。

 

よく「味が落ち着く」って表現を聞きますよね。

あれは全体の水分量が均一になるというイメージだと分かりやすいです。

 

この現象はサイズが大きいパンほどその影響を受けます。

そのためドイツパンだったり、3斤の食パンだったりは焼き立て直後の内部はだいぶ水気があります。

 

焼きあがった食パンをすぐにスライスするパン屋さんは絶対にありません。

お客さんにオーダーされても断るお店もあるかもしれません。

これは焼き立てはパンが柔らかく、内部がまだねちゃついているからきれいにスライスできないためです。

 

それでもお客さんによってはきれいじゃなくても、曲がってもいいからスライスしてくれという人もいますが。

スライサー汚れるしほんとは嫌なんですけどね。

まぁ言われたらやります。

 

 

小さいサイズのパンはこれらの現象の影響が少ないですし、温かいものはやっぱり本能的に美味しいと感じますから、惣菜パンだったりクリームパンのような菓子パンは「焼き立て」は美味しいという認識でよいとは思うんですけどね。

なんでも「焼き立て」がいい!というのはちょっとちがうかなぁと。

 

続く! ( ̄▽ ̄)ノ"

 

 

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