天然酵母ってなに?

 

どーも!パンブロガー福介です ヾ(・_・;

 

みなさん「天然酵母」ってご存知でしょうか?

 

よく聞きますよね。

天然酵母のパンを食べたことある方もたくさんいらっしゃるはず。

会社名に入ってたりもします。

 

じゃあ天然酵母ってなに?

となった時に答えられる人はあまりいないんですよね。

 

残念ながらパン屋さんでもしっかり答えられる人は意外に少ないです。

 

まず字面から。

天然の酵母ってことらしいですよね。

天然は分かるけど酵母って?

 

酵母とは真菌のことです。

カビやきのこと同じ真菌、つまり菌のことですね。

どこにいるかというとそこらへん、どこにでもいます。

空気中にもいるし、土壌にもいるし、人間の体内にもいます。

ただ酵母にもたくさんの種類があって、色々な酵母が世界に存在しています。

 

酵母を英訳するとyeast。

日本語で読むとイースト。

 

イーストってあれじゃん。パン作るときに使うやつじゃん。」

そうなんです。

酵母イース

パン屋さんの現場でも、製パン材料売ってるお店でも、おうちでパン作る人も、イーストと呼んでいる人のほうが多いでしょう。

 

「なんか横文字のがかっこいいよね」って感じで。

日本のパン文化では、発酵によってパンを膨らませる材料はイーストと呼ぶ習慣が出来てしまいました。

実際、自分も現場ではイーストと呼んでますしね。

 

配合表(パンのレシピみたいなもの)にも「イースト」

実際に使うイーストのパッケージにも「イースト」

材料の発注画面も「イースト」

 

そんなイーストが世の中に浸透しきったところに出てきたんです。

天然酵母」ってやつが。

 

なんか響きがいいですよね。

「天然」だから体に良さそう。

なんか美味しそう。

それに比べるとイーストってなんか人工的な感じがするし、工場で作られてるし、色々入ってそうで体によくなさそう。

 

みたいな風潮が出来上がりました。

 

今もまだまだありますよね。

 

全然違います。

 

まず、酵母とは人工的に作れるものではなくて、自然界に存在しているものです。

つまり、イーストも天然酵母なんです。

自然界に存在している酵母の中から、パンを膨らませるのに適した酵母を集めて培養したものがいわゆる「イースト」なんです。

この培養のところで、人工的な感じが出てきてしまいますが、酵母そのものは天然のものですし、酵母の発酵力を維持するために、温度管理だったり、湿度管理、水分調整がされていると考えると分かりやすいのではないでしょうか。

 

イーストと天然酵母は別物と思っている人は多いと思います。

イースト」も「天然酵母」も浸透しきってしまっていますから。

誰が悪いとかいう話ではないんですけどね。

 

イースト=悪

天然酵母=正義

は言い過ぎかもしれませんが、パン業界にいると少し感じますね。

 

しかし最近では、この流れに「待った」をかけるようになってきましたね。

コンビニやスーパーのパンのパッケージの裏の原材料欄をじっくり見ている人はあまりいない気もしますが、現在は「イースト」ではなく「パン酵母」と表記されています。

お気づきの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

だってイーストも酵母も同じものだし、天然も人工もありませんからね。

 

消費者に誤解を与えるということでこのような表記になりました。

最近のパンのレシピ本も、コンテストなどの入賞レシピなどもすべてこのような表記になってきています。

 

浸透しきったイメージを変えていくことは難しいですがこの流れで、誤解される方が減っていくことを願ってます。

 

 

じゃあちまたで「天然酵母」を謳っている商品や、パン屋はなんなんだ!ってことになりますよね。

 

天然酵母という言い方がよくなくて、これらは自家製酵母と呼ぶとしっくりきます。

つまりどっかの会社が培養したパン酵母ではなくて、そこのパン屋さんが自分のお店で種を作って培養してパンに使用している酵母のことです。

そこにしかないオンリーワンのパン酵母だと考えていただけるといいかと思います。

 

またややこしい話なんですが「ホシノ天然酵母」って聞いたことがある方もいらっしゃるかと思います。

他にも天然酵母という名で酵母を販売していらっしゃる会社もあります。

ホシノ天然酵母株式会社さんが販売している「ホシノ天然酵母

簡単にいうとホシノさんちのイーストですね。

 

ただパンに使用する前段階で、その「ホシノ天然酵母」を使うお店だったり、個人のキッチンで、予備発酵だったり、種起こし、種継ぎという作業が入るため、市販のパン酵母とは違う風味が生まれるという感じです。

またホシノ天然酵母独特の風味も加わります。

先述した通り、酵母はどこにでも存在していますから、場所が変われば、存在している酵母も変わります。

つまり厳密にいうと同じパンは二度と作れないということになります。

同じ場所で、同じパン酵母でも、その場所にもともとある酵母の影響を少なからず受けるからです。

 

少しややこしい話になってしまいました。

ちなみに自分もホシノ天然酵母は使いますし、好きです。

文句をいっているわけではなく、名前がなぁって話ですね。

 

 

こっからは少し文句を書いていきます。

世間にいまだに漂う

天然酵母=安全、美味しい

イースト=危険、美味しくない

は絶対に違います。

 

もうこの二つが同じものだということは分かっていただけたと思います。

 

なんだかなぁ、と思うのが天然酵母パン専門店。

 

こちらのカンパーニュは梨の天然酵母で作りました。

こちらのアンパンはりんご酵母

一番人気の食パンはレーズン種の酵母なんですよ、お客さん!

 

みたいなお店。

 

もちろんきちんと作ってらっしゃるお店もあります。

素敵なお店もあります。(たくさんではないですが)

 

ただひどいお店がけっこうあるのも事実です。

 

そもそも市販のパン酵母って

「パンを発酵させるのに適した酵母を、きちんとした設備でプロが、温度から何から徹底管理したパン酵母

なんですよね。

 

小さい個人のお店で、何種類もの果物や野菜から起こしたパンを発酵させるのに適しているかどうかわからない酵母を、しっかりと、温度から湿度からすべてを長時間しっかり管理できると思いますか?

 

相当な労力と専門知識、しっかりとした設備が必要になりますよね。

 

超大変です。

考えただけでも嫌になります。

 

そしてパンに適しているかどうか分からない酵母を、きちんと管理できずに(酵母は温度管理が非常に重要です)パンを焼いてるお店も残念ながらあります。

添加物不使用!オーガニック材料のみ!なんて言いながら。

 

どうなるかというと。

パンは膨らみません。

発酵力が弱すぎるパターンが最も多いです。

正確に言うと、きちんと膨らみません。

 

パンに適しているかどうか分からない酵母なので当然なんですけどね。

膨らみはします。

たくさんの酵母の中には少しはパンに適している酵母もありますので。

 

 

その結果どうなるかというと。

発酵力不足のお手本のようなパンが焼きあがります。

 

オーブン内での生地の伸びがほとんどないので、火抜けが悪くべちゃべちゃな食感。

焼き色も付きづらいので、長時間焼くことになり表面は凄く硬い。

基本外観はいびつです。

さらに、発酵力が弱いので仕込みから焼き上がりまでの所要時間が長いので、発酵というか腐敗が進行してしまい(雑菌も間違いなく入ってますので)異臭がする。

 

きちんとした商品を出しているお店ももちろんありますよ!

ただ残念なお店が多いのは事実。

 

なんとかなんないのかなぁと思ってしまいます。

 

ちょっと長くなってしまいました。

 

以上です!

それでは <(_ _)>